そんな中で、ある時スクールの情報が舞い込みました。
ベルギーのライセンスを習得できるスクールで校舎は新宿あり、本校は大阪にありました。
海外でも仕事をしたいという強い思いがありましたので、入学説明会の時にその旨も確認して申し込みました。
講習は、月に2,3日連続でありました。
当時仕事が忙しかったので、その日数開けることはとても大変で、夜は慌てて戻って仕事をしていました。
講習の内容は、解剖生理学(アロマの時に習ったものよりも遥かに難しいものでした)、セラピー概論、フェイシャル、ボディ、ネイル、脱毛、メイク実技。実技をした時、高円寺のエステの先生が「アロマの人は技術がねー。」と仰ったことがようくわかりました。
流れるような軽やかな手運び。
正しく至福の時へ誘う技術でした。
手足のネイル、フェイシャルは、普段興味もなかったので、とにかく苦しみで、沢山の方々に指、お顔をお借りして練習しました。
ネイルは、甘皮の処理からお手入れ全般、カラーリング。
つけたこともない真っ赤なネイル。
正直、どうしたものかと悩みました。
でも、近道はどこにもありません。
練習するしかなかったのです。
ネイルサロン、エステサロンに行き、その施術方法をじっくりと体感して研究もしました。
友人に試験当日までのモデルを頼み、必死に頑張りました。
解剖生理学は、さび付いた脳に栄養を与えながらとにかく覚えることに徹しました。
こんなに勉強したことがこれまであったでしょうか?
こんなに勉強に集中できるならば出来ることもっとあったかも?
試験は、ゴールドマスターを取ることが目標で、ゴールドが取れなかったら再チャレンジとのこと。
わー、浪人みたいなことですよね。それは無理!
もう必死にならざるをえませんでした。
9ケ月頑張りました。
頑張りぬいて迎えた大阪梅田のホテルでの試験当日の朝。
大変なことが起きました。
準備は万端。
私自身の身なりも整えるべく制服も着てメイクを始めた時、前日梅田で購入したピカピカのサンローランのチークをつけましょ!と蓋を開けた途端ぱーっとあたり一面に散らばり、真っ白の制服は真ピンクに染まりました。
その様子を見た友人は、言葉もでません。
「どうしよ!」
慌てて引率の先生に電話すると、もちろん先生も驚きのご様子。
「今、本校に頼んでみるから待ってて。」と仰り、「すぐ前にある本校で、そちらの制服を貸して下さるからすぐに取りにいくように。」とのことでした。
私の頭は真っ白ケッケ。
やってしまった!
その瞬間思い出したことがあります。年の初めに気学の先生に言われた言葉。
「5月に大阪で試験があるんです。」と伝えると、「何か落とすね~!」と言われ、「先生、縁起の悪いこと言わないでくださいよ!」と笑ったのですが、わ~!これでしたか!
はい。もう落とすものは落としましたから、大丈夫!
ここまで来たら、度胸が据わります。やるしかないですもの。クリーニングの折り目のついたピカピカのみんなと違う制服を着て臨みました。
ベルギー本校の校長先生が試験官です。
フランス語で口頭質問され、通訳されます。
質問に動揺しても手は動かさなくてはなりません。
ハラハラドキドキの時を越え、結果を待っているときの長かったこと。
結果6人の仲間が全員ゴールドマスターで通りました。
帰りの体が軽かったのか重かったのかわからないほど疲れと喜びに溢れていました。
友人が半年も体を貸してくれて、愚痴もこぼさずこんな私と共に頑張ってくれたことが何よりありがたく、ただただ感謝の一言でした。
INFAゴールドマスターを取得して、頑張れた自分に少し自信がもてました。
やると決めたことに向かう執念、出来なくてもわからなくても頑張りぬく根性を見せてもらえたのでしょうね。
苦手も場数を踏んで精進すれば形になるということ。大変な学びでした。